表面とは?



物体には必ず外界と接触する部分がありますよね。この部分をその物体の表面 と呼びます。 物体が外界との間で、物質や信号のやりとりを行う時、それらは必ず、表面を通過します。 従って、物体の機能は、表面の性質によって支配されているといえるのです。

例えば、自動車のマフラーの中には触媒と呼ばれる物質が使用されています。この物質の 表面では、排気ガス中の有害な CO や NO 等のガスが、たやすく酸素や水と反応し、無害な CO2 や NO2 に変化します。つまり、触媒の表面が仲立ちとなって、 これらの反応を促進するわけです。

その他、表面が重要となる問題として、防錆(サビの防ぎ方)、 テレビブラウン管などに使用されている 電子銃、ビデオテープ等の磁性薄膜、 コンピュータに用いられるメモリやCPU等の半導体素子、 ガス検出器などのセンサー、 工具や刃物類の強度強化のための表面改質、 核融合炉壁や宇宙ロケット外壁 表面での照射損傷などがあります。

表面物性工学の分野では、このような材料表面で生じている様々な現象を 原子、電子レベルで解明、理解することにより、より最適な材料の選択 最適な動作条件の推定新しい機能性材料の探索等を目指します。

表面の研究が実用につながった最初の例として、 ガス入り白熱電球の発明が有名です。



SST_Labo's Home Page